なぜ運送業で働き続けるのか

トラックドライバー

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私は新卒から今までずっと運送業です。そしてずっと同じ会社です。

国立大学を卒業したのになんで運送会社?しかも中小の会社に入社したんだ?と思われるもしくは面と向かって言う方は周りに沢山いたのですが私自身、運送業で働くことがすごく好きです。そして今の会社もすごく大好きです。

運送業って本当に面白い。

ただただそれだけのことでもう15年が経ちました。(ひゃっ)

入社して1週間でやめようと思った

入社して1週間くらい経って、1年後絶対会社を辞めようと思っていました。

当時はトラックや運送業のことがさっぱりわからなかったですし1日中会社概要のパンフレットを3枚折りするという仕事をしていた時に「絶対やめよう」と決めていました。笑

ですが、日々仕事をする中でドライバーさんや配車の方の配車さばきや荷物さばき、「おっしゃ!やったんで。行ったるわ!」というドライバーさん達の漢気を見てしまったんですんね。

大手路線会社のホームでの荷物捌きや配車のあの独特のだみ声電話など、見れば見るほど「なんかかっこいい」と思うことが増えていったのです。

そしてついに私にも配車の仕事ができる日がきたのですがその日から今日までずーーーーっと「運送業楽しい」と思って仕事をさせてもらっています。

人間味丸出しの仕事

運送業がなぜ面白いのか。

それはこの仕事が「人間味丸出し」の仕事だからです。

そしていつも即決現金主義なところも気に入っています。

運賃さえ合えば自分がまだ見たことのない景色が見れるのもこの仕事の醍醐味です。トラックに乗っていなくてもそうです。

自分が配車をしない荷物や行程でも破格の運賃を提示されたら「やります♡」ってワクワクウキウキでトラックを探すことも配車係の楽しみの一つ。

なので初めて北海道行きを手配できたり、特車で荷物を運んでもらったり、海コンを手配したり、冷凍車を手配するなどいつもと違う仕事をすることでいつもと違う人たちと一緒に仕事ができるとモードが「爆」楽しいモードになってテンションが上がります。

そして、何よりもこの仕事のよいところは「誰かの役に立っている」を実感できることです。

繁忙期や夜、当日のトラブル対応など困ったお客様の依頼をこなすことで

「ほんまにありがとう!助かったー!」

と言っていただける仕事なんです。お客様から心の底から「ありがとう」と聞ける仕事は運送業以外にも沢山あるかと思いますが実際に面と向かって言ってもらえることが本当に嬉しいです。だからまた頑張ろう!という気持ちになります。

楽しい!に付いてくる「責任」

ですが、ただ仕事が楽しい!だけではきっと長続きはしません。

運送業で働くドライバーさん、配車係、運行管理者、事務員さん沢山いらっしゃいますがやはり「責任感」を持つ人が長く続けられる仕事だと思っています。

運送業の責任はどこまで続くのか、という議論ではなく、個人の責任感のお話です。

楽しい仕事は責任がないわけではないのです。しっかりと責任を果たしてこそ仕事の奥行を感じれると思っています。

昔、納品が間に合わなったトラブルがありました。

トラックに積んだ荷物を1度卸さないといけず、私もそのおろし場所に行き手伝いをしに行きました。

その時に

「おい!お前、俺の荷物や。触んな」

ってめっちゃ大声で怒鳴られたんですね。

めちゃくちゃ腹が立ったので「私の荷物でもありますから!」って言い返したんですがここにはそれぞれの責任感があったんだと思っています。

私は自分が手配をした荷物が納品できなかったことに対してお客様へ謝罪と今後の対応をどうするかの責任の元、放っておけないからそこに行った。ドライバーさんは自分のミスで納品できなかったからこそ何とか言われた指示をこなそうとした。お互いの責任の所在が違うので喧嘩にはなってしまいましたが、結果深夜24時にはすべての作業が終わりました。

お客様には怒られましたし、元請けの担当者まで来ておおごとでしたが、誰もその責任を投げ出さなかったからお客様へのご迷惑を最小限で抑えることができました。

誰かのミスでもディレクションを行っている人間は自分のミスのように凹みますし、ミスをした本人はそれ以上に凹むと思います。

でも、仕事というのは「やり遂げる」ための責任が必要だと思うのです。

凹んでいても仕事を達成させなければいけない。最後まで責任を持つ、ということは運送業に限らずどんな仕事でも大切な事です。

楽しい!楽しい!と言っている仕事でも責任感を持って取り組まなければお客様、自分の会社からの信用はなくなります。そして抱えている協力会社さんからの信用もなくなります。

結果、そうなると「楽しくなくなる」のです。

仕事は一人ではできない

前のブログでは「運送業は個人プレー」と書きました。

ですが個人プレーは表面的に見えるものであって、実際のところ本質は運送業もどんな仕事も一人では絶対に成り立たない仕事です。

依頼をくれるお客様、依頼を受けてくれる会社さん、自社の社員さんたち、荷受けをしてくれるお客様、沢山の方が関わって成り立つ仕事です。

だからこそ、忘れてはいけないことがあります。

それが「報連相」です。

人が関わる仕事にはやはり報告、連絡、相談は必要不可欠。運送業に限らず何かあれば報告する、連絡する、相談する、は基本だと思っています。

が。偉そうなことを書いていますが私も20代から30代前半までこの報連相がめちゃくちゃ下手でした。というか、報連相の大切さを全く理解できていませんでした。

社外に対しては「連絡」はできていても社内で「報告」ができていない。社内で「相談」ができていないから急にそんなこと言われても・・・!と混乱させるなど本当にひどい有様でした。社長にもすごく怒られましたしね。

ですが何度か同じミスが続いた時に「このままではだめだ」と思って自分ができる、これならやれるだろうなという報連相フローを考えて実践するようにしました。

実際、このフローで報連相をすることで怒られることは減りました。

過去の沢山の過ちで私が体感しているのは「(わからないことは)絶対に自分で判断しない」ということです。わからないことがわからない時も絶対に報告、相談をするようにしました。

そうすると、自分の中で基準ができます。

この件は報告が必要だな、相談してから動こう!などという基準ができます。

そして怒られないから仕事もまた楽しくなりました。怒られながら仕事をするのは誰も楽しくないです。楽しく仕事をするのも自分自身。周りの人には自分の仕事を楽しくしてもらえませんから自分で考えてどうすれば楽しく仕事ができるかを見つけていくことも必要だなって40を手前にようやく思えるようになりました。

遅くても気づいた時に動く。年齢も立場も関係なく、動けるときに恥ずかしがらずに動くことってとても大事だなぁと。

自分の機嫌は自分でとる。が今の課題

仕事をする上では責任感も大事ですし、自分の機嫌もすごく大事です。

やっぱりご機嫌の人と仕事をしている方が楽しいです。でも自分は?と自分に矢印を向けてみると私自身、まだまだ自分の機嫌をご機嫌にさせられていないと反省ばかりです。

何回も同じこと言ったのに!

とか

また同じミス?

とか相手に矢印を向けるとイライラすることは沢山あります。

でもその時、私はどうなっている?と冷静に見ると鬼ばばみたいに怒っています。まったくご機嫌じゃない。

なので、これからは自分の機嫌の取り方をしっかり考えないとなって思います。

自分の伝え方を変えてみる、仕組みを変えてみる、など自分で考えられることは沢山あるからまずは自分を見返してみることをこれから続けていこうと思います。

他人を変えるより自分を変える方が10000倍楽

自分ですら変えるのはすごく大変。

自分の習慣や考え方でもちょっとやそっとでは変えられないからこそ他人を変えるのは本当に難しい。まずは自分を変えていくところから始めるのが一番手っ取り早いです。

誰かのせいにしてもいいのですが、その前にまず自分はどうだったかなと自分にも一度矢印を向けてみることもこれからは大切になると思っています。

運送業で働く身としてすごく思うのが「〇〇さん(荷主)が悪い」とか「国の制度が悪い」など自分以外の人たちに怒っている人が多いということ。

国であっても今の時代、不変ではありません。

変えられることだってきっとあるんです。

矢印を外に向ければ楽です。でも自分も少し変えてみようと思い、何事も「自分事」にしてしまえばきっと相手も変わっていくと私は思っています。

私自身、現在進行形で「自分に矢印を向ける」を実践しています。

相手が変わらないからこそ自分がどうなのか、もっともっと掘り下げて考えてみる。

とてもしんどいし辛い作業ではありますが、自分の習慣、言葉遣いが変われば考えが変わる。ひょっとしたら相手も変わる、という淡い期待も持ちつつやっていきます。

仕事が楽しいのも楽しくないのも誰かのせいにしたくないので今日も頑張ります。

皆さんもご安全にです。

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